傷害による損害は、
・積極損害(治療関係費、文書料、その他の費用)
・休業損害
・慰謝料
これらの合計120万円が限度額となります。
治療費は原則として全額認められます。ただし過剰な診療や平均額を逸脱したような、いわゆる
贅沢診療については相当な範囲に限定されます。
また、将来の治療費は治療の必要性や費用の確定性がなければ認められません。
1 |
応急手当費 |
応急手当に直接かかる必要かつ妥当な実費。 |
2 |
診察料 |
初診料、再診察料又は往診料にかかる必要かつ妥当な実費。 |
3 |
入院料 |
原則としてその地域における普通病院への入院に必要かつ妥当な 実費。 ただし、被害者の傷害の態様等から医師が必要と認めた場合は、 上記以外の病室への入院に必要かつ妥当な実費とする。 |
4 |
投薬料,手術料 処置料等 |
治療のために必要かつ妥当な実費 |
5 |
通院費,転院費 入院又は退院費 |
通院、転院、入院または退院に要する交通費として、必要かつ 妥当な実費。 |
6 |
看護料 |
【1】入院中の看護料 原則として12歳以下の子供に親近者が付き添った場合 1日につき4100円 【2】自宅看護又は通院看護料 医師が看護の必要性を認めた場合は次の通り。 ただし12歳以下の子供の通院等に親近者等が付き添った 場合には医師の証明は不要。 a)厚生労働大臣の許可を受けた有料職業紹介所の紹介に よる者。立証資料等により必要かつ妥当な実費。 b)親近者等 1日につき2050円 【3】親近者等に休業損害が発生し、立証資料等により【1】 又は【2】b)の額を超えることが明らかな場合は、 必要かつ妥当な実費 |
7 |
諸雑費 |
療養に直接必要のある諸物品の購入費又は使用料、医師の指示に より接種した栄養物の購入費、通信費等とし次の通り 【1】入院中の諸雑費 入院1日につき1100円。立証資料等により1日につき 1100円を超えることが明らかな場合は、必要かつ 妥当な実費。 【2】通院又は自宅療養中の諸雑費 必要かつ妥当な実費 |
8 |
柔道整復等の費用 |
免許を有する柔道整復師、あんま・マッサージ・指圧師、はり師、 きゅう師が行う施術費用は、必要かつ妥当な実費 |
9 |
義肢等の費用 |
【1】傷害を被った結果、医師が身体の機能を補完するために 必要と認めた義肢、歯科補綴、義眼、眼鏡(コンタクト レンズ含む)補聴器、松葉杖等の用具の制作等に、 必要かつ妥当な実費 【2】【1】で掲げる用具を使用していた者が、傷害に伴い当該 用具の修繕又は再調達を必要とするに至った場合は、 必要かつ妥当な実費 【3】【1】及び【2】の場合の眼鏡(コンタクトレンズ含む) の費用については50000円が限度。 |
10 |
診断書等の費用 |
診断書、診療報酬明細書の発行に必要かつ妥当な実費。 |
【2】文書料
交通事故証明書、被害者側の印鑑証明書、住民票等の発行に必要かつ妥当な実費
【3】その他の費用
【1】治療関係費及び【2】文書料以外の損害であって事故発生場所から医療機関まで
被害者を搬送するための費用については、必要かつ妥当な実費
休業損害とは、事故による傷害の治療などのため仕事を休まざるを得なくなってしまったために
失われた利益(給料等)のことです。
【1】休業損害は、休業による収入の減額があった場合又は有給休暇を使用した場合に
1日につき5700円。
家事従事者については、休業による収入の減少があったものとみなし、
1日につき5700円。
【2】休業損害の対象となる日数は、実休業日数を基準とし、被害者の傷害の態様、
実治療日数その他を勘案して治療期間の範囲内とする。
なお、学生、年金生活者などの収入の減少がない者には休業損害は認められない。
【3】立証資料等により1日につき5700円を超えることが明らかな場合は
19000円を限度として、その実額とする。
給与所得者 【事故前3ヶ月間の給与額】÷90日
または 5700円のどちらか高い額に【休業日数】を掛けた額
事業所得者 【事故前1年間の収入額 ー 必要経費】× 寄与率 ÷ 365日
または 5700円のどちらか高い額に【休業日数】を掛けた額
ここでの【休業日数】とは実治療日数となりますが
傷害の態様、業種等を勘案して治療期間の範囲内(治療開始から終了までの日数)
または実治療日数×2の日数の少ない日数を限度とします。
家事従事者 【5700円】×【休業日数】
ここでの【休業日数】とは実治療日数となりますが
傷害の態様、業種等を勘案して治療期間の範囲内(治療開始から終了までの日数)
または実治療日数×2の日数の少ない日数を限度とします。
慰謝料とは、被害者に生じた精神的苦痛を塡補(緩和・解消)するための金銭的補償です。
【1】慰謝料は、1日につき4200円とする。
【2】慰謝料の対象となる日数は、被害者の傷害の態様、実治療日数その他を勘案して
治療期間の範囲内とする。
実治療日数とは実際に病院に行った日数
治療期間とは治療の開始から終了までの期間日数をいいます。
【実治療日数×2】の日数と【治療期間の日数】の少ない日数×4200円が
自賠責保険による傷害慰謝料の額となります。
【3】妊婦が胎児を死産又は流産した場合は、上記の他に慰謝料を認める。
慰謝料は主に人損について認められます。物損による損害に対する精神的苦痛については その物が賠償された場合、慰謝料請求が認められることはほぼありません。 |