一括払いのながれで任意保険会社が後遺障害等級認定申請を行うサービスです。
この申請を受け調査、認定するのは損害保険料率算出機構の自賠責損害調査事務所です。
この等級認定の調査は基本的に書類審査になります。
最低限の書類が提出されれば審査は進みます。審査期間はおおよそ1〜2ヶ月です。
被害者自身が必要書類を収集し自ら請求する方法です。
書類収集から作成までを自ら行うことになりますので手間はかかりますが、
納得のいく申請ができます。
事前認定をしても被害者請求をしても調査認定するのは同じ調査事務所です。
つまり提出される書類がおなじであれば結果は変わらないということになります。
また、審査にかかる日数も基本的に変わりません。(時期やタイミングにより前後します。)
事前認定のメリットは「被害者の手間が少ない」のみです。
任意保険会社は被害者のために積極的に等級認定を取得する立場にはありません。
等級認定がされて損害賠償額があがると自らの支払額が増えてしまうこともあり、
事務的に申請手続を行うのみです。被害者に対して認定に有利になる検査の提案や
アドバイスはまず期待できません。
被害者請求のデメリットは「被害者の手間が多い」です。
被害者請求のメリットは提出書類を自ら集め、作れるということです。
これにより被害者は等級認定に有利な医証(医学的証拠)を収集し
また等級認定に否定的にとらえられる可能性のある事情をフォローする書類を提出するなど
適正な等級認定がされるために有利な申請書類を作成できます。
被害者請求の場合、事前認定に比べ審査結果が分かるのが早いというメリットもあります。
調査事務所に書類が届いてからの審査時間には差がありません。
しかし調査事務所に提出されるまでの時間と結果が被害者に知らされるまでの時間はどうでしょう?
保険会社の担当次第となります。すぐに必要書類を集め、申請書を作成し調査事務所に送付して
くれればいいのですが、一人で何件もの事故を担当している場合が多く、迅速な手続はあまり
期待しない方がいいでしょう。結果が通知された後も同じです。
審査の結果、等級が認定された場合、
事前認定の場合は任意保険会社に結果が通知されます。それを受けて任意保険会社は被害者と
示談交渉に入ります。このときに提示される示談金には認定された後遺症害の賠償額も含めての
交渉になります。
つまり任意保険会社との示談が済まない限り、受け取ることはできないということです。
被害者請求の場合、等級認定がされると自賠責保険の後遺障害等級に応じた額が支払われます。
これは任意保険会社との示談をしなくても受取ることができますので、
金銭的に圧迫されて示談を急ぐ必要もなくなり、じっくり示談交渉に臨むことできます。
参考 【自賠責保険と任意保険】
参考 【任意保険会社一括払い】
任意保険会社の担当者の中には被害者のために積極的に働いてくれる方もいらっしゃいます。 しかし残念ながらそうではない方、明らかに「払い渋り」を感じられる方もいるのが現状です。 被害者に対する対応は担当者によって大きく差があります。 もし担当者に問題を感じたら保険会社に対し担当の変更をお願いするのも手です。 |