任意保険会社一括払い


任意保険会社 一括払いのながれ

1、加害者加入の任意保険会社より一括払い承認
 
 2、被害者が通院、入院等により病院に支払い  

 3、病院が任意保険会社に請求         

 4、任意保険会社が病院に支払い        

 5、4で支払った額で自賠責保険金相当額を   
自賠責保険会社に求償        

 6、自賠責保険会社から任意保険会社に支払い。 


本来被害者はまず、自賠責保険会社に請求し、その支払いを受け、賠償額が自賠責保険の限度額を

超えている分については任意保険会社に請求するといった二度手間が必要であり被害者の手続的負担

を重くし、迅速な救済を困難にしています。


この手間を任意保険会社が負担することで被害者の賠償金請求がスムーズに行われるといった

任意保険会社のサービスが一括払い制度です。

簡単に説明しますと、本来自賠責保険で支払われる賠償金も含め全額を任意保険会社が

まとめて被害者に支払い(立て替え払い)後日、任意保険会社が自賠責保険会社に求償する

といったシステムです。


現在は任意保険会社のほとんどがこのサービスを行っているため、交通事故当事者であっても

特に意識することなく治療費などが支払われ示談している場合が多いのではないでしょうか。

事故の内容、けがの具合等によっては被害者に取ってはとても有益なサービスである一方、

そのシステムや賠償額の内訳などを理解できていないと「保険会社の言いなり」の結果に

なってしまう可能性もあります。


一括払いの問題点


一括払いの問題点について

交通事故を起こすと相手方の任意保険会社から連絡が来ます(相手方が保険会社に連絡していれば)

そこで、一括払いを承認しますと、以降保険会社は被害者の診療明細や診断書等を取得できる

ようになります。これにより保険会社から病院に治療費等が支払われ、被害者は治療費を意識すること

なく治療に専念できるようになります。

いったい何が問題なのかというと、これらの手続を行っている任意保険会社というのは

加害者の加入している任意保険会社であり、その被害者を保護する立場にないということです。


もう少し具体的にいいますと、任意保険会社は

 ・加害者になってしまったときの多額の賠償金から契約者(加害者)を守る立場

 ・自賠責保険の限度額を超えた額を支払う(言い方を変えますと、賠償額を自賠責の範囲内に

  納めることができれば実質的負担は無い)立場

であると言えます。

さらに、被害者請求をした場合、自賠責保険分は示談をしていなくても受け取ることができま す。

一括払いの場合は自賠責分も示談完了後でなければ受け取ることができません。

被害者請求と一括払いのメリット・デメリット

被害者救済を目的としてはいない任意保険会社にすべてを任せてしまうこと、しかも自賠責部分も

任意保険会社に握られた状態に不安を感じることもあります。


参考 【自賠責保険と任意保険】

参考 【事前認定と被害者請求】


上記は任意保険一括払い制度のすべてを否定する物ではなく、

システムと問題点を理解した上で利用されることが交通事故被害者の救済につながるのでは

ないかという考えです。

すべての保険会社が自社の利益第一で動いている訳ではありませんが、一部でそれを疑わせるような

対応も見られます。また、保険会社の担当者のレベルによっても大きく変わってきます。

一括払いはいつでも解除して被害者請求に切り替えることができます。

これらの判断基準はなく、まさにケースバイケースです。専門家にご相談下さい。



  
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